建築規模に合った工法推す

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在来、2×4どちらでも対応

松本設計(東京都国立市)の松本照夫会長は、これまで介護施設をはじめとする木造建設の設計、企画、監修に携わってきた。

同氏が携わった建築物に、千葉県松戸市の延べ床面積3897.60平方メートルの有料老人ホームがある。同ホームの、建設時期は2010年初頭と、まだ大型木造建築物も少ないころで、日本の2×4工法による木造介護施設の先駆けとして捉えられている。

松本会長は「当初、木造建築は、耐火などの技術進化のなかで、規模や変わった意匠が珍しがられ、重宝されてきた。しかし現在は、プレカット工場でも大型木造の加工ができる設備が整ったことや構造設計体制の構築で、より多くの人が取り組めるようになっている。このような流れを木材利用の好機ととらえ、より活用していくことが大切だ」と語る。現に松本会長は、木造建築物の利用や使用目的に応じて、2×4工法のみならず在来工法や鉄骨造、さらには混構造などを柔軟に提案している。

「単に木造だけで評価される時代は終わり、木造建築での意味が求められるようになっている。オーバースペックで建築提案することで、予定以上の建設費や工期などが掛かることもある。そのようなことが横行すれば、木造が高いものと評価され普及の勢いを失いかねない。そのため、様々な工法を提案し、よりビジネスとして適した設計提案をする必要性が増している」と語る。

同社は設計を受けるだけでなく、近年はプレカット工場や建材商社、ハウスメーカーなどからもサポートを求められることが多くなっている。松本氏は今後も大型木造建築物の建設に積極的に取り組むとともに、各方面のサポートもしていくとしている。

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